第24章

鈴木結月がぼんやりしている間に、高橋悠人がのんびりと歩み寄ってきた。視線は彼女に据えたまま、顎をわずかに上げる。

「行くぞ。取り返しに行くんだろ」

――顔を立てに行くんじゃない。お前の背中を押してやる。

――俺が、お前の味方だ。

二人で階段を上がり、エレベーターを降りた瞬間、個室の奥からわいわいと騒ぐ声が飛び込んできた。思った以上に人が集まっているらしい。

鈴木結月が入口まで来て、真っ先に目に入ったのは橋本美月だった。いや、正確には――あのドレスを着ている橋本美月。

そういえば、あの一着は井上友里子が鈴木結月のために誂えたものだ。結月の手元に届いた頃には、彼女はもうここへ来てしま...

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