第45章

鈴木結月は、もともと岡本恵茉のあの遠慮のない口ぶりが苦手だった。けれど今は、高橋悠人に怯えて今にも泣きそうな顔をしているのを見て、これ以上追い詰める気になれない。

 結月は静かに立ち上がり、恵茉の手を取って、その場を出ようとした。

 ――と、その瞬間。

 入口のドアが開き、目を引くほど整った顔立ちの女子が入ってくる。彼女はまず高橋悠人を一瞥し、それから鈴木結月へ視線を移した。

 「ねえ、そこの子。私と一勝負、してくれない?」

 来たのが松本美波だと分かった途端、教室の空気がざわりと揺れた。

 「松本美波まで来たぞ。面白くなってきた」

 「さっき転校生と松本美波、どっちが可愛いか...

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