第68章

  そこまで口にしたところで、中野博はどう続ければいいのか分からなくなったようだった。

  それから彼は引き出しを開け、中にしまっていた解答用紙を二枚、そっと取り出す。8組のほかの生徒の分は机の上に積んであるのに、その二枚だけは引き出しの奥に隠すように入れてあった。

  受け取ったとき、手のひらが震えた――そんな代物だ。

  中野は解答用紙を机の上に並べた。高橋悠人と鈴木結月が、示し合わせたわけでもないのに同時に視線を落とす。

  左が高橋悠人、右が鈴木結月。

  得点のところには、赤ペンでくっきりと数字が書かれていた。

  150。

  鈴木結月は思わず高橋悠人を見た。高橋悠...

ログインして続きを読む