第77章

 夜中に女の子が一人で外へ出ていくのを見て、警備員はつい、もう一言だけ確認したくなった。

 鈴木結月は小さくうなずき、リュックを背負ったまま外へ出る。

 今夜、街を当てもなくうろつくことになったとしても、あの家に戻ってあの顔ぶれを見たいとは思わなかった。今日はもう、取り繕う気力すらない。うんざりするほど、腹が立っていた。

 別荘の前には柔らかな灯りがともり、仰々しい門をぼんやりと浮かび上がらせている。近寄るな、とでも言いたげな、よそよそしく冷たい空気が漂っていた。

 その向かい側は、通りを一本挟んだだけなのに、明るく賑やかで、人々の暮らしの温もりに満ちていた。

 結月はのんびり歩い...

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