第368章

病室で佐藤玲奈が霧雨縁と談笑していると、一通の電話が鳴った。

「玲奈ちゃんかい? 高橋の爺さんだよ」

電話の向こうから、老人の元気な声が聞こえてきた。

「高橋のお爺さん?」

佐藤玲奈は少し驚いた。以前、高橋家の揉め事を解決して以来、これといった連絡は取っていなかったのだ。

「何か私にお手伝いできることでもありましたか?」

玲奈は微笑みながら尋ねた。

「いやいや、そうじゃないんだ。そういえば、この前は本当にありがとうね。あんたがいなかったら……はぁ」

言葉の途中で、高橋のお爺さんは深くため息をついた。

「お爺さん、お礼ならもう何度も聞きましたよ」

玲奈は苦笑交じりに言った。...

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