第380章

堀田知也が身を起こすと、そこには見違えるように飾り付けられたリビングが広がっていた。

もともと単色で統一されていた空間には、色鮮やかなリボンや風船があちこちに飾られ、壁には小さな風船で『お誕生日おめでとう!』の文字が形作られている。

そしてダイニングから漂ってくる芳醇な香りは、佐藤玲奈がこの一時間かけて腕を振るった成果を物語っていた。

堀田知也は佐藤玲奈の手を引き、もつれるような早足でダイニングへと向かった。

案の定、テーブルの上には二人のお気に入りの料理がずらりと並べられている。

「最初はレストランを予約しようかとも思ったんだけど、よく考えたら、家で私が手作りした方が意味があるん...

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