第382章

 堀田知也を見送った後、佐藤玲奈は慌てて霧雨縁に電話をかけた。

 数回のコール音の後、通話がつながる。

「もしもし」

 聞こえてきたのは、どこか聞き覚えのある男の声だった。

 佐藤玲奈は一瞬呆然とし、訝しげにスマートフォンの画面に表示された名前に目を落とした。間違いなく彼女にかけている。

「誰ですか」

 眉をひそめ、鋭い声で問い詰める。

 電話口の男はしばし沈黙した後、淡々と答えた。

「八代倫也だ」

 八代倫也?なぜ彼が霧雨縁のところにいるのか。

 佐藤玲奈の頭の中で、即座に警鐘が鳴り響いた。彼女は冷ややかな声で追及する。

「縁ちゃんの生活の邪魔はしないと言っていたはず...

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