第460章

「玲奈姉ちゃん、この玉佩が古川綾音のものじゃないなら……誰のなんだ?」

山田成は眉をひそめ、腑に落ちないという顔で問いかけた。

佐藤玲奈は答えなかった。ただ、ふっと視線を上げ、山田成を見つめる。瞳の奥が、すっと冷える。

その重い視線を受けた瞬間、山田成の胸がひゅっと縮んだ。荒唐無稽で、けれど否定しきれない考えが脳裏をよぎる。

「玲奈姉ちゃん、まさか……この玉佩って……」

口にしてはいけない名前がある。言葉にした途端、現実になってしまいそうで怖かった。

もし、この禍々しい品が本当にあの男のものだとしたら——あれは偶然身につけたのか、それとも最初から承知で? 嵌められたのだとしたら、...

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