第470章

最近の高橋家は、まさに厄続きだった。

入院棟の反対側にあるVIP病室には人が集まっていた。高橋おじい様の息子や娘たち、さらには孫たちまで顔をそろえている。

「今日、お前たちを呼んだのはな。最近、高橋家で起きていることについて……何か思うところがあるなら聞きたかった」

看護師に手を借り、車椅子に腰かけた高橋おじい様は、大病のあとで頬がこけ、血の気も薄い。だが、長年この家に積もり積もった威圧だけは、そう簡単に消えるものではなかった。

その声が落ちた瞬間、子どもたちは互いに視線を交わし、誰も口火を切ろうとしない。今この場で先に喋れば、真っ先に矢面に立たされる。それが分かっていた。

病室の...

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