第543章

「そうじゃない?」

佐藤玲奈は唇の端をきゅっと吊り上げ、嘲るように言った。

「立派なお嬢様が、わざわざ身分を落として既婚者に手を出す。浮気相手じゃなきゃ何なの?」

本当は、高橋亜里沙とこれ以上揉めるつもりなんてなかった。堀田知也と彼女の間に何があろうと、それは二人の問題だ。玲奈には関係ない。

もし堀田知也が、高橋亜里沙のために「離婚してくれ」と言うなら、玲奈は迷わず応じる。財産なんていらない。身ひとつで出ていけばいい。

なのに高橋亜里沙は、頭のどこかが壊れているんじゃないかと思うほど、肝心の堀田知也に向き合わず、毎日のように玲奈へ絡んでくる。しかも手口が、いちいち下品だった。

玲...

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