第547章

佐藤玲奈がスマホを手に取って画面を見た瞬間、かかってきた相手の名前に目を見張った。雪城夢子――。

「もしもし」

「佐藤玲奈さん? 今日、時間ある? 友だちの家に古いものが一式あってさ。ちょっと見てもらえないかな」

「いいよ。三十分で行く」

「うん、お願い」

通話を切った佐藤玲奈は振り返り、堀田知也を確認する。ぐっすり眠っていて、着信音にも起きる気配はない。

彼の腕が自分の腰に回ったままだったので、そっとその手を外し、代わりに抱き枕を胸のあたりへ押し込んだ。

三十分後、佐藤玲奈は約束の場所にきっちり現れた。

「佐藤玲奈、こっち!」

遠くから佐藤玲奈を見つけた雪城夢子が、慌てた...

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