第554章

「縁ちゃん、いったい何があったの?」

電話の向こうで、霧雨縁の歯切れの悪い声が続く。それだけで佐藤玲奈の胸に、いやな予感が薄く差した。

「私もよく分かんない。……ねえ、先にテレビ、つけてニュース見てみて?」

縁がためらいがちに言う。

「……」

玲奈は小さく息を吐いた。食べかけの麺を置いてリビングへ行き、テレビの電源を入れる。

次の瞬間、堀田知也の婚約を報じるニュースが、何の前触れもなく視界に飛び込んできた。

玲奈は、カメラのフラッシュに囲まれて立つ男女を、呆然と見つめる。男は冷ややかに整っていて、女は気品を崩さない。――どう見ても、釣り合いの取れた二人。

「玲奈! 玲奈! 聞...

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