第557章

当初、高橋亜里沙が遠坂紫と取引したとき、遠坂紫は胸を叩いて「指輪は必ず効く」と言い切った。

高橋亜里沙は半信半疑だった。けれど堀田知也への渇望が、遠坂紫への疑いを上回った。だから――高橋家の祖父の心の中にある「出来のいい孫娘」という印象を繋ぎ止めるため、彼女は平然と嘘をついた。

堀田知也との仲は順調で、問題があるとすれば佐藤玲奈という女だけ。あの女が恥もなく堀田家の財産目当てで堀田知也に縋りついているのだから、自分がきちんと始末をつけるのだ、と。

そのときは、祖父も信じた。

呪物の件に加え、高橋亜里沙を快く思わない親戚たちが耳元で囁き続けていたせいで、日頃は目に入れても痛くないほど可...

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