第559章

午後。堀田知也と佐藤玲奈は、古い屋敷から車で出た。

「マンションに戻るか」堀田知也が低く訊く。

「うん」玲奈はぼんやりと、駐車場の外へ流れていく車影を見つめたまま淡々と言った。「形だけの離婚でも、体裁は整えないと。もう青海マンションには住めない。いったん戻って片づけたら、私は出ていく」

「……ああ」

知也の機嫌は良くないらしい。道中ずっと険しい顔で、ほとんど口を開かなかった。前方にマンションの建物が見えてきたところで、ようやく重たい声が落ちる。

「部屋のことは直人に用意させる。あとで住所を送る。荷物はまとめなくていい。向こうは全部そろってる。お前は行くだけでいい」

玲奈はぱちりと...

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