第564章

「堀田社長」

木村直人が振り返ると、堀田知也たちが駆けつけてきたところだった。ひとまず胸をなで下ろす。

「小野寺さんが、ずっと屋上の外側の手すりのところに立って、風に当たってるんです」

木村直人は小野寺綾乃のいる方角を指さし、現状を手短に説明した。

堀田知也はそれを聞くと、佐藤玲奈と視線を交わす。互いに小さくうなずき、次いで二人そろって結城達真へ顔を向けた。

左右から突き刺さる視線に、結城達真は苦笑する。

「……俺が行く」

結城達真は鉄扉を押し開け、屋上の縁へと歩み出た。

「小野寺綾乃」

背後から、待ち焦がれていた声がする。小野寺綾乃はぱっと振り返り、喜びに頬をゆるめかけた...

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