第566章

夜。雪城夢子は珍しく胸の奥がざわついたまま窓辺に腰を下ろし、空に浮かぶ細い新月を見上げていた。

ここ二日ほど、堀田知也の婚約の話題がやたらと世間を騒がせている。佐藤玲奈のことが気がかりで電話をかけて慰めたいのに、今の玲奈にとっては余計な負担かもしれない――そう思うと指が動かず、結局ずっと迷ったままだった。

男なんて、みんなろくでもない。

どうしたって堀田知也の顔が浮かぶ。光に照らされ、数えきれないほどの称賛をまとって立つ男。認めたくはないが、女を狂わせるだけの魔性めいた魅力があるのも事実だ。以前は「女に興味がないらしい」なんて噂も耳にして、他の男とは違うのかもしれないと思ったこともあっ...

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