第7章

 頭が割れるように痛む。私は勢いよく目を見開いた。

 氷のように冷たい床。ひどく湿った空気。遠くから聞こえてくる、波の打ち寄せる音。

 視界が徐々にはっきりしてくる。どうやら、錆びついた鉄柱に粗末な麻縄で縛り付けられているらしい。手首と足首はきつく締め上げられ、すでに感覚が麻痺していた。

 ここは廃倉庫だ。ひび割れた天窓から月明かりが差し込み、床の水たまりと赤錆だらけの鉄骨を照らし出している。

「目が覚めた?」

 暗がりから、聞き覚えのある声が響いた。

 イザベラが闇の中から姿を現す。コンクリートの床を叩くハイヒールの音が、やけに甲高く反響した。

 だが、彼女はもうあの、すぐに...

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