第13章彼にキス

ライラ視点

私が答えるより先に、森から甲高い叫び声が空を切り裂いた。ヴァンパイアが援軍を呼んだのだ。

「こっちだ!」ドリアンが私の腕を掴み、近づいてくる音から引き離すように引っ張った。

私たちは崖の縁に沿って疾走した。追ってくるヴァンパイアたちを背に。奴らの人間離れした金切り声が、谷間に反響する。ドリアンは地形を巧みに読み、私を岩が迷路のように入り組んだ場所へと導いた。

「あそこだ!」彼が指さしたのは、岩壁にある狭い裂け目だった。

私たちはその隙間から、隠された洞窟へと体をねじ込んだ。通路は狭く、ドリアンの肩幅でぎりぎりだった。

「進み続けろ!」

洞窟は下へと曲がりくねり、やがて...

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