第116章逮捕されたが私は逮捕されなかった

ライラ視点

審問室は長老たちだけでなく、群れの仲間たちで埋め尽くされていた。その顔には好奇心と裁きの色が混じり合っている。壁際には戦士たちが立ち並び、その表情は険しく、非難に満ちていた。一般の狼たちは小さなグループに分かれて固まり、私たちをこの場に引きずり出した醜聞についてひそひそと囁き合っている。

集まった群れの長老たちの前に立つ私に、彼らの視線が、その重みで押しつぶさんばかりに注がれる。だが、私の肌が粟立つ思いがしたのは、セラフィナがそこにいたからだ。

「敬愛なる長老方がた」セラフィナが口火を切った。「本日、私が皆様の前に立ちますのは、想像を絶する最も凶悪な裏切りの犠牲者としてでござ...

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