第148章エレナとの夜の出会い

ライラ視点

朝の日差しがジョーイのテントの帆布を透かして差し込んでいた。私は、彼女がいつもの明るい笑顔で目覚めるのを見守る。彼女が寝床をケイリブのテントの近くに移したのは半月前のこと。「医学的な経過観察がしやすいから」というのがその理由だった。

「おはよう、おひさま。ちょうどよかったわ。今からケイリブに朝食のリクエストをして、彼を拷問しようと思ってたところなの」

「今日の気分はどう?」

「身体的には? ずっといいわ。精神的には? とある誰かさんを、この私のチャーミングな性格で徹底的に狂わせてやりたい気分よ」

その言葉に呼び出されたかのように、ケイリブが自分のテントから姿を現した。目の...

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