第168話絶望的な祈り

ライラ視点

オーウェンとクララの必死の抵抗も虚しく、彼らは多勢に無勢だった。

セレストが横たわる石の台座へと、私とエレナが引きずられていく。それを私は、なす術もなく恐怖に震えながら見つめるしかなかった。マダム・デラクロワが儀式の場に配置した蝋燭の火が揺らめき、その中で横たわる吸血鬼の女の青白い姿は、いっそう亡霊めいて見えた。

衛兵たちに石の台座の脇に設えられた木枠の方へと追いやられ、エレナが私の体に必死に身を寄せてくる。その木枠はまるで中世の拷問器具のようで、横木からは革の拘束具がぶら下がっていた。

「やめて……」声が震える。「お願い、こんなことしないで」

だが、エリックの部下たちに...

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