第21章保護

ライラ視点

ドリアンの手にあるデータドライブは、部屋にいる全ての狼たちの注目を一身に集めているようだった。学部長でさえ、ほとんど気づかれないほどに、ぴんと背筋を伸ばした。

「どのような証拠をお持ちですの、ミスター・ブラックソーン?」と彼女は尋ねた。

「真実の証拠です」とドリアンは答えた。「これで事態はかなり明確になるかと」

技術者が呼び出され、ドライブを投影システムに接続した。照明が落とされ、委員会の背後にあるスクリーンに映像が再生され始めた。

息を呑んだ。映像には、昨日の午前二時十七分というタイムスタンプと共に、夜のアカデミーの研究室が映し出されていた。そこには、クロエ・ホーソーン...

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