第62話マイルナ

ライラ視点

寝室でのあの打ちのめされるような会話から二ヶ月が経ち、すべてが変わってしまった。秘密は明るみに出て、私たちの間にあった慎重な距離は消え去った。

妊娠五ヶ月となり、もう隠しようもなくなった丸いお腹の上から、卒業ガウンのしわを伸ばした。今日はルパイン医学院の卒業式。かつては私のすべてだった、長年の勉学と研究の集大成の日だ。

式典ホールは、愛する家族の門出を祝う人々でごった返し、興奮したざわめきに満ちていた。同級生たちが一箇所に固まり、笑いながら写真を撮り合っているのが見えた。彼らの角帽とガウンが、黒と銀の海のようだ。

「ライラ!」興奮で顔を輝かせたジョーイが、私の隣にひょっこり...

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