第64話仲間から離れて

第一章 - ライラ視点

私は小さなカフェに逃げ込み、膝から力が抜けて崩れ落ちそうになるのを必死でこらえて席についた。裏切りの痛みは、予想以上に深く胸をえぐっていた。

「おひとり様を満喫中かな?」

その声に顔を上げると、テーブルの脇にデレク・ホーソーンが立っていた。嘲るような同情を顔に貼り付けている。

「デレク」私は努めて平静な声を装った。「何の用?」

「ちょっと興味深い写真が手に入ってね」彼はそう言って、テーブルの上に一枚の写真を滑らせた。「君のアルファと、彼の『真の番(つがい)』だ。先週、北部準州にある二人の愛の巣で撮られたものだよ」

写真には、人里離れたキャビンに到着したドリア...

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