第70章早期労働緊急事態

ライラ視点

ドリアンが私を抱えて自動ドアを通り抜けると、ムーンシャドウ・ベイ中央病院の人狼専門病棟にある救急治療室は、緊迫した活動でざわついていた。陣痛の間隔はどんどん短くなり、痛みの波が押し寄せるたびに、呼吸が苦しくなっていく。

「早産だ」ドリアンが近くにいた看護師に告げた。「妊娠八ヶ月だ」

すぐに医師が現れ、その経験豊かな目が私の容態を専門的に判断した。「分娩室へ運びましょう。破水してからどれくらい経ちますか?」

「二十分です」ドリアンは答え、担架で廊下を運ばれる私に付き添った。

分娩室で、看護師たちが監視装置を準備する間、医師が手早く診察を行った。

「子の状態が良くない」彼は...

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