第85話プッシープレス

ライラ視点

路地裏の空気は、息が詰まるほど重苦しかった。私の素肌がドリアンに押し付けられる。私は胸の前で腕を組み、必死に自分を守ろうとした。この建物と建物の狭苦しい隙間で、少しでも彼との間に距離を作ろうとあがく。

けれど、後ろに下がろうとするたび、私たちの腰はいっそう密着して擦れ合った。彼の下半身の硬い高ぶりが、まざまざと私に押し付けられる。それは無視できないほど鮮烈で、私をおかしくさせそうだった。

彼が興奮しているのがわかる。その熱く硬直したものが、私の下腹部に当たっているのだ。頬がカッと熱くなった。私の体までが私を裏切り、太腿の間にじっとりと濡れた熱が溜まっていく。それは紛れもない事...

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