第284章 夢がかなう

水紀は好奇心に目を上げた。「……何?」

「見せたいものがある」

御堂蓮司は先に立ち上がると、水紀が腰を上げるより早く身をかがめ、当然のように彼女を抱き上げた。

「抱いて行く」

潮風が蓮司の髪をさらりと乱す。水紀はおとなしく腕の中に収まり、そのまま車に乗せられて、彼の住むマンションまで連れていかれた。

この部屋は、もともと蓮司が「水紀の学校の近くにいたい」と思って探した場所だ。

――なのに、ドアを開けた瞬間、別世界だった。

ウェディングドレス用の生地。大小さまざまなパール。ダイヤ。眩いクリスタルの装飾パーツ。部屋の隅々まで、贅沢な素材が埋め尽くしている。

人が暮らす部屋というよ...

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