第209章 手柄の横取り

中林真由は静かに彼を見つめた。その瞳の奥では、激しい葛藤が渦巻いていた。

どう選べばいい?

他に選択肢などあるのか?

今野敦史はそもそも、彼女に選ぶ隙など与えていなかったのだ。

敦史はソファに腰を下ろすと、慣れた手つきでベルトを外し始めた。

「国内外の医者をかき集めたところで、手術の感染率を一〇%に抑えられる奴なんて、そういない」

「今回は無理強いはしない。選ぶ道をくれてやるんだ。悪くないだろ?」

まるでそれが、中林真由への慈悲であるかのような口ぶりだ。

真由はソファから身を起こし、シャツのボタンを留めようとした。だがその瞬間、敦史の腕が伸び、彼女を強引に抱き寄せた。

彼女...

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