第261章 君から動いて

今野敦史は眉をひそめて彼女を見やった。

「中林真由、金子先生の手術が再来年の初めまで埋まっていることを知っているか? お前の母親は、いわば割り込みなんだぞ」

「金子先生が一日空けてくれただけでも奇跡に近い。術後は病院で最高のチームと介護士が、つきっきりで母親のケアにあたる」

そう言われて、中林真由はようやく胸を撫でおろした。

このクラスの名医が多忙を極めていることは知っている。

今野敦史がいなければ、母の手術など到底不可能だった。

このチャンスを得られただけでも、幸運と言うほかない。

黙り込む中林真由を見て、今野敦史は重ねて尋ねた。「他に聞きたいことは?」

「治療費は一括払い...

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