第264章 ずっと好感が持てる

今野敦史の車がマンションに到着するより一足早く、阿部静香はすでに新車を駆って階下で待ち構えていた。

敷地内に滑り込んでくる今野敦史の車を目にして、彼女の口元には自然と笑みがこぼれる。

車が完全に停止する。だが、彼女が歩み寄ろうとするその隙も与えず、助手席から中林真由が姿を現した。今野敦史は慣れた手つきで彼女の腰を抱き寄せると、そのまま二人でエレベーターへと消えていく。

阿部静香の瞳孔が一瞬にして見開かれた。ハンドルを握る指先が、白くなるほど強く食い込む。

中林真由? まさか、また中林真由なの?

どうしてあの中林真由が、まだここにいられるの?

なぜ、中林真由だけがここに住むことを許...

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