第273章 見事な槍術

中林真由は、今回ばかりは自分の負けだと悟った。自由を勝ち取ろうなどと考えていたが、それも今となっては望み薄だ。

彼女は窓の外に目をやる。肌寒さを感じる季節だが、時折、乾いた銃声が聞こえてくる。

「射撃場があるんですか?」

「ああ、屋外にな。行くか?」

今野敦史はすでに立ち上がり、出かける態勢に入っている。

中林真由は小さく頷いた。

彼と二人きりで部屋に篭るより、外の空気を吸うほうがましだ。

人の目がある場所なら、彼もそれほど無茶はしないだろう。

明日の朝まで耐えれば、すべて終わる。

射撃場に着くと、そこには顔なじみの姿があった。江口海、その傍らに立つ白川有香、そして見知らぬ...

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