第302章 土下座

正門をくぐった瞬間、中林真由の耳にその言葉が飛び込んできた。心がずしりと沈む。

どうやら、犯人は彼女だと決めつけられているようだ。

玄関を抜けると、ソファに座る今野敦史の姿が目に入った。

一瞬、息を呑む。彼だけではない。その隣には白川芽唯も座っていた。

昨日、中林真由が子供部屋にいた間、今野敦史は終始その場にいた。

彼が口を開いて証言しさえすれば、誰も彼女を疑ったりはしないはずだ。

だが、先ほど使用人がまくし立てていた時、彼は一言も発しなかった。

中林真由は軽く瞼を閉じ、すべてを悟った。

今野敦史とは、常にこういう男だ。決して彼女を助けようとはしない。これが初めてのことでもな...

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