第323章 彼を連れて行く

村松丈は今野敦史を上目遣いに見つめながら、嫌な予感が背筋を駆け上がるのを止めることができなかった。まさか、ストリップを踊れとでも言う気だろうか?

自身の贅肉にまみれた体を想像し、彼は無意識に生唾を飲み込んだ。

中林真由は何も言わず、ただ静かに傍らに佇んでいる。

村上安りがそっと近づき、彼女の手を慎重に握りしめた。その掌がじっとりと汗ばんでいることに気づき、彼女もまた表面上の冷静さほど落ち着いてはいないのだと悟る。

中林真由は村上安りに向けて強張った笑みを返したが、その胸中は言葉にし難い苛立ちで満ちていた。

今野敦史は一同を見渡すと、鼻で笑うように息を吐いた。

「そんなの、火を見る...

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