第332章 白川芽唯の異変

「すみません、この辺りにイルカマンションという建物はありませんか?」

 男がスマホのナビ画面を指差して尋ねてくる。

「何周もグルグル回ってるんですが、どうしても見つからなくて」

「申し訳ありません。私もこの辺りは不慣れなもので、よく存じ上げないんです」

 中林真由は首を横に振った。

 二人の男は困ったような顔を見合わせ、再びナビに視線を落とす。

「ちょっと地図を見てもらえませんか?」

 そう言って男はスマホを突き出してきた。確かに画面にはナビが表示されており、中林真由も特に疑うことなく画面を覗き込もうとする。

「イルカマンションならすぐそこだよ。一つ目の角を左、鉄格子の建物だ...

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