第362章 漢方医

中林真由が病室を訪れると、中林雪乃はぱっと表情を輝かせた。

少し前までは意識も混濁し、ぼんやりとしていたのが嘘のように、ここ数日で劇的に状態が良くなっている。

石田渉の姿が見当たらない。介護士の話では、鍼治療に行っているとのことだった。

「病院の中にいないの?」

真由はわずかに眉を寄せた。

「向かいにも診療所があるでしょう? そこに腕利きの漢方医が来たらしくてね。石田渉くん、二日おきに通っているんですよ」

介護士は熱っぽく説明を続けた。

「最初は私たちも半信半疑だったんですけど、その先生が本当に凄腕で。見てください、お母様もあんなにはっきりお話しされるようになったし、頭もすっき...

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