第371章 各々必要なものを取る

平野歩美は確かに災難に見舞われた。

本来なら関係各所に資料を提出する手筈だったのだが、ホテルを出た直後に強盗に遭遇したのだ。

男は二人組で、狙いは明らかに彼女が持っている証拠品だった。

当然、平野歩美が大人しく手放すはずもない。しかし、女一人で男二人を相手に敵うわけがなかった。

相手はバイクに乗っており、突き飛ばされた歩美は階段の角に頭を強打し、瞬時に意識を失った。

次に目を覚ました時、彼女はすでに病院のベッドの上にいた。

目の前の男を見て、彼女は少し驚いた表情を見せた。

「一馬? どうしてここに?」

「俺の嫁が大変なことになってるのに、来ないわけないだろ?」

北村一馬は焦...

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