第385章 最適解

中林真由はほんの一瞬だけ間を置き、淡々と答えた。「それが、最適解ですから」

「今野社長の教えではありませんか。何事においても最適解を、最善の選択を求めよと」

「最適解だと? それが最善だと分かっていたはずだ。にもかかわらず、これまでは頑として和解を拒んでいた。それなのに、江口俊也からの電話一本であっさり承諾するとはな」今野敦史は目を細め、胸の奥で燻る苛立ちを募らせた。

昨日の彼は確かに熱に浮かされていたが、意識は明瞭だった。

あの中林真由の強情な姿を、鮮明に覚えている。

彼女は何があっても和解に応じようとしなかった。それどころか、今野敦史が「策」を用いてまで和解を迫っているとさえ邪...

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