第387章 名残惜しい

中林真由は鼻で笑った。

「和解しないって言えば、みんなして勧めてくるくせに。いざ和解したとなれば、今度は『すべきじゃない』って? 結局、どうしろって言うのよ」

「また俺のせいにするのかよ」

今野敦史は舌打ちした。

「中林真由、お前、俺を悪者にしないと気が済まない体にでもなったのか?」

中林真由が呆気にとられていると、今野敦史はさらに恨めしげに畳みかけた。

「最初から最後まで、俺がお前に和解を勧めたことがあったか? 一度でも言ったか? よく思い出してみろよ」

中林真由は記憶を辿った。確かに、また彼を誤解していたようだ。

今野敦史は和解を勧めなかったし、脅迫された時も彼女を守るた...

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