第39章 変えるべきだ

中林真由には分かっていた。彼の性欲からして、昨日のたった一度では到底足りるはずがない、と。

いつもなら家に帰ってから、さらに数回は重ねないと満足しないはずだ。

彼女は、阿部静香が今野敦史の前でまだ貞淑な烈女を演じているのだろうと推測した。二人はまだ寝ていないに違いない。そうでなければ、彼が発情期の野良犬のように、いつまでも彼女に付きまとうはずがない。

しかし今の彼女は、彼と何か関係を持ちたいとは微塵も思っていなかった。特に、今野さんが例の言葉を口にした後では。

彼女はどこか可笑しくなって今野敦史を見つめた。「今野社長、私のことはお好きではないのに、どうしてこのようなことがお好きなので...

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