第394章 他人を嵌める

今野グループは最近多忙を極めており、さすがの今野敦史といえども、ずっとこちらに滞在しているわけにはいかなかった。

往復数時間の距離という物理的な壁は、いかに敏腕な今野社長でも解決できない。

翌朝、彼は中林真由と朝食を済ませると、上村賢人を伴って早々に帰路についた。

真由はレストランで黙々と食事を続けるだけで、彼を見送ろうとはしなかった。

二人の現在の関係性がよく分からなくなっていた彼女にとって、こうして離れることこそが最善に思えた。

現状を整理する時間が持てるし、少しは肩の力も抜けるだろう。

レストランに現れた平野歩美は、俯いて食事をしている真由の姿を認めた。

白川芽唯とは和解...

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