第395章 それは取引だ

接待のルールとして、最初の料理は勘定を持つ人間が選ぶことになっている。それがそのテーブルにおける「天井」、つまり最も高価な一皿となるからだ。

他の者はそれ以下の金額の料理を選ばなければならない。さもなくば、ホストの予算をオーバーしてしまう。

白川芽唯は貝のように口を閉ざしたままだ。中林真由もあえて機嫌を取ろうとはせず、自分の分を淡々と注文し終えると、向かいの席に視線を向けた。

「白川さん、何か食べたいものは? アレルギーとかある?」

和解に応じ、こうして食事を共にすることにも同意したのだ。これ以上、空気を張り詰める必要はないと彼女は思っていた。

「焼肉、すき焼き」白川芽唯はぶっきら...

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