第397章 ラブレター

数分後、中林真由は平野歩美の車に乗り込んでいた。

ハンドルを握りながら、平野歩美はどこか落ち着かない彼女の横顔をちらりと見て、反射的に問いかける。

「家で何かあった?」

「ううん、違う」

中林真由は、少し気まずそうに首を振る。

平野歩美は、ああやっぱりというふうにうなずいた。

「今野社長、のこと?」

さっき白川芽唯が言っていたことは、聞いているほうが少し胸をざわつかせる話だった。

もし今野敦史が、ずっと中林真由のことを想い続けていたのだとしたら――

今回の帰省で、彼女はきっと、彼に会いに行くことになる。

「……うん」

中林真由は、否定はしなかった。

こんなこと、否定す...

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