第398章 もう一度試す

中林雪乃は、娘が帰ってきたと知って、心の底からうれしそうだった。

中林真由は母を連れてマンションの中を一回りし、帰りにケーキまで買って帰った。

石田渉はこの日は午前だけ残業で、昼にはあわただしく帰宅する。

真由は時計を見ながら、今野敦史がそろそろ着く頃だと見当をつけ、「このあと用事があるから」とだけ言い残し、先に家を出た。

といっても、そう遠くへ行くわけではない。マンション近くの公園の入口からなら、高速の出口を流れてくる車がちょうど見える。

真由は階段に腰を下ろし、行き交う車をじっと目で追った。

やがて、公園脇の駐車スペースに、今野敦史の買ったばかりのスポーツカーがすっと滑り込む...

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