第400章 はっきりと説明する

今野敦史は彼女を見下ろすと、ふっと肩の力を抜き、その華奢な体を腕の中に閉じ込めた。

「真由。俺はあいつを好きだったことなんて一度もない。だが、あいつが特別な存在だったことは確かだ」

その言葉に、中林真由の警戒心が瞬時に跳ね上がった。特別な存在、だと?

冷静に考えてみれば、阿部静香よりも美人で、学歴も性格も良い女性など掃いて捨てるほどいる。

阿部静香には「猫を被るのが上手い」以外に取り柄らしい取り柄が見当たらないし、容姿だって社内で飛び抜けているわけでもない。それなのになぜ、あえて彼女を選んだのか。

今野敦史は彼女の胸中の疑問を見透かしたように、苦笑して口を開いた。

「俺が悪かった...

ログインして続きを読む