第41章 早晩後悔する

この食事の間、中林真由はできる限り存在感を消し、余計な口を挟まないようにしていた。

高木文也が時折一、二言尋ねてきても、彼女は一言返すだけだった。

阿部静香は彼女の前で今野敦史との親密さを見せつけようと、しょっちゅう今野敦史の肩に寄りかかったり、テーブルの下でこっそり手を繋いでは、挑発的な視線を彼女に向けてきた。

しかし、今野敦史が目を向けると、阿部静香は途端に無邪気な少女へと変わり、幸せいっぱいの瞳で彼に瞬きしてみせるのだった。

中林真由は終始微笑みを浮かべながら、この小娘は実に滑稽だとしか思えなかった。

どうせもうすぐここを去るのだ。阿部静香がどれだけ見せびらかそうと勝手だ。

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