第412章 今日入籍する

あの日以来、中林真由は中林大樹と一度も顔を合わせていなかった。

もっとも、父親のいない生活にはとうに慣れっこだ。ここ十年ずっとそうだったのだから、今さら彼がいようがいまいが関係ない。

母が病に倒れると、江口海はあちらから気を利かせて、もっと家で母のそばについていてやるよう勧めてくれた。

中林真由はつくづく思った。今野敦史の言った通りだ。もし江口海の下で働き続けていたとして、こんなに休みばかり取っていては、恐らく長続きしなかっただろう。

だが、今野敦史の元へ戻って働くとなると、それはそれで一抹の不安がよぎる。

なぜかはうまく言えないが、戻りたくないという思いがあった。今と昔とでは、何...

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