第49章 私は行きたい時に行く

「百万円もする生地をわざわざ買って、何に使うのかと思っていたら……それに、この真珠のイヤリングとブレスレットもわざわざ落札して。全部あなたへのプレゼントだったのね。ただ、今までは気持ちを打ち明けられなかっただけで」

中林真由は驚いて彼女を見つめ、それから慌てて手を引っ込めた。

「高木夫人、誤解です。先ほどの高木さんのお話は冗談ですよ」

「誰が冗談だと言った? 俺が言ったことは全部本気だ。本気で君と結婚したいと思ってる」高木文也の瞳は、この瞬間、この上なく真剣だった。

彼は確かに中林真由が好きだった。だが、それは彼女が綺麗でスタイルがいいからというだけではなく、彼女の能力を認めていたか...

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