第66章 深く光栄に思う

目の前の少年らしい姿に、中林真由は少し気まずさを感じた。

少年が自分に向ける視線に、彼女ははっきりと気づいていた。驚きと、それからほんの少しの臆病さ。気まずさから一歩後ずさる。まさか、一目惚れでもされたのだろうか。

一目惚れなんて、結局は見た目に惹かれただけのことだと彼女はよく分かっていた。年下の男の子と何か関わりを持つつもりは毛頭ない。

「いえ、もう食事は済ませましたので。合同企業説明会がどこかだけ教えていただければ結構です」

中林真由は丁寧に断ったが、相手はまだ諦めていないようだった。

「じゃあ先輩、LIME交換しませんか。S大で合同企業説明会があったら、連絡するのにも便利です...

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