第4章
達彦の助手は追いつくや否やよろめき、激しく息を切らしていた。
達彦はその胸倉を乱暴に掴み上げ、歯を食いしばりながら声を絞り出した。
「どんな手を使ってもいい、管制塔に連絡しろ。飛行機を引き返させるんだ! 俺は達彦だぞ——奴ら、俺の命令に逆らう度胸があるのか」
助手の両脚はガクガクと震えていた。
「社長、先ほど確認いたしました。チューリッヒ行きの搭乗者名簿には……」
「葵様のお名前はありませんでした」
達彦の指が瞬時に硬直する。
「1Aの座席は確かに購入されていました。ですが、それは恵美子夫人の身分証をダミーに使ったもので、実際には誰も搭乗しておりません」
足の裏から...
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