第5章

 実父が手配したプライベートジェットが着陸した時、私は窓の外を眺めながら、ふと死から蘇ったかのような錯覚に陥った。

 タラップを降りると、抱き合いながら涙を流している一組の夫婦の姿が目に入った。

 見ず知らずの相手であるはずなのに、血の繋がりという見えない絆が、瞬時に私の目から熱い涙を溢れさせた。

 家を出る決意をしたわずか一週間前、私は一枚のDNA鑑定書を受け取っていた。

 私は捨てられた孤児などではなく、花尾家が長年探し求めていた実の娘だったのだ。

「葵……」

 母は駆け寄ると、私を力強くその胸に抱きしめた。

「ああ、二十年以上も探し続けていたのよ……あなたがゴミのように扱...

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